なんとなく続けているこのシリーズ。今回は2本立てでお送りします。
まずは台詞の緩急から。
台詞の緩急と言うと、台詞を言うスピードや声の大小の意味で取られるかもしれませんが、今回はそう言う話ではなく、台詞の長さと簡潔さの話です。
まあ、当たり前の話なのですが、シーンが盛り上がってきて決めるシーンであればあるほど、回りくどい台詞や説明的な台詞、冗長な描写は避け、直接的で短い台詞でまとめましょう。
例えば、メンバーの気持ちが一つになって、一致団結してことに当たるという盛り上がったシーンにおいて、
「私も出来る限り力を貸すよ。みんなよろしくね!」
キャラや状況にもよりますが、これでは長いです。シーンのテンポが悪くなる。なので、
「私も力を貸すよ!」 とか、
「うん、みんなよろしくね!」 とか、そんな短い台詞で十分です。だって、他のみんなも似たような台詞を吐いているわけですし。まして、長々としたキャラの動きの描写とかは全然いらない。
逆に、少し落ち着いたシーンでは、台詞が簡潔過ぎるとキャラが立たず、その後の展開がしづらくなります。例えば、何かの指令を受け取ったシーンで、
「了解しました」 とかだけで終わってしまうと、GMの側はその後の反応に困ってしまいます。おそらくは、
「期待しているよ、○○君」 とか何とか言ってシーンは終了してしまい、キャラを立たせる事はできないと思います。せめてその後に、
「○○様のために!」 とか「ま、ぼちぼちやらせてもらいますわ」 とかを付け加えて、キャラを立たせておきたいところです。
まとめると、盛り上がっているシーンではテンポ良く短い台詞で、落ち着いたシーンではキャラを立たせる為に工夫した台詞で、といったところだと思います。
次に変化の表現について。
キャラクターやキャラクター同士の関係は、一つのセッションの中で、また一連のキャンペーンの中で成長し、変化してゆきます。その変化を効果的に表すことが出来れば、確実に場は盛り上るでしょう。
では、どうすれば変化を上手く表現できるのでしょうか? それは、繰り返される表現に変化をつけることです。
基本的なところで言うと、呼びかけ方が挙げられると思います。例えば僕がGMでヒロインNPCを作成する時などは、必ずといって良いほど最初の呼びかけ方とラスト付近での呼びかけ方の2通りを用意しています。苗字+さん ⇒ 名前+君、とかですね。
もしくは、繰り返し出てくる印象的なシーンが変化の対象になります。例えば、
「過去の名前で呼ばれる ⇒ その名前で呼ぶなと怒る」
という演出を何度かやっておいて、後で過去の名前で呼ばれても怒らなければ、過去に対しての決着や心情の変化を表すことができると思います。
変化の演出で大事なことは、まずはキャラを固めないことにはキャラの変化を表現することは不可能ということです。キャラを固めることの重要性は前にも何度か触れていますが、やはり全ての演出の基本であると言えるのではないでしょうか。