02 〜会話の相乗効果〜

 この講座が続いている、ということは、シナリオ作成がはかどっていないと言うことでもあったりしますが、そんなことは気にしない。というわけで、今回は会話の相乗効果に関して。
 会話の相乗効果、と言っても、これは今適当に作った言葉なので、あんまり意味は無いです。ここで言いたいことは、プレイヤーが1人で行う演出よりも、プレイヤーとGMが協力したり、プレイヤー同士が協力した演出は圧倒的にカッコいい。ということです。まあ、感覚で分かる人にはわかると思いますが、とりあえず前回のセッション中からの具体例を。見た目は子供、中身は腹黒…… の紗々と、妻子持ち私立探偵の木田さんの会話より。電波少女、秋姫の暴走っぷりに木田がため息をつくシーンからです。
木田:「ったく、ガキにエージェントなんてやらせるなよな」 で、思います。俺の子供は大きくなってもぜってーエージェントだけはやらせねえ。
紗々:なら、木田さんにだけ聞こえるように囁きます。「あら、年齢や外見と能力は関係ないわよ。違うかしら?」
木田:じゃあ、囁き返す。「ああ、そうだな。お前を見てればな」
 見てもらえば分かりますが、何のことは無い普通の会話です。ですが、TRPGの場においては、これが妙にカッコよく感じる。実は、TRPGでは、会話の成立、特にPC間で会話を成立させることが結構難しく、そのせいで会話が成立したときに妙にカッコよく感じてしまう、と言う現象があるようです。これを逆に生かすと、他のPCとの会話シーンを演出すれば、無理にカッコいい描写や、カッコいい台詞を入れなくても、十分カッコいいシーンを演出できる、ということになります。さらに、他のキャラクターとの会話では、会話の相手の演出にも協力できるということで、ある意味一石二鳥と言えるでしょう。
 ですが、この会話の成立による演出効果は負の効果も持っています。それは、会話できないキャラクター、もしくは会話を演出できないプレイヤーがはまりやすい、と言う点です。もしも自分から会話を仕掛けても、相手が受け取ってくれなければ会話は成立しません。ですから、自然に会話を受け取ってもらえそうなキャラクターに会話を振りがちになります。そうすると、ますます会話できないキャラクターには会話の機会が減って…… これを避ける方法はいまいちハッキリしませんが、とりあえず複雑な演出が出来ない初心者の人は、会話が出来ないタイプのキャラクターは作らない、が一つの鉄則になると思います。